「Fighting Vascular Events in Gifu 2016」にて「孫悟空」になる決意!メインイメージ

「Fighting Vascular Events in Gifu 2016」にて「孫悟空」になる決意!

去る1月21日、岐阜都ホテルで開催された「Fighting Vascular Events in Gifu 2016」に参加させていただきました。 この会は、日本脳卒中学会支援の元、脳卒中地域医療連携プロジェクトの1つとして、岐阜大学附属病院、岐阜県総合医療センター、岐阜市民病院などの脳神経外科・神経内科の先生方が一同に会される勉強会だそうです。当院副院長の和座医師から、脳卒中診療最前線と地域連携を学ぶには絶好の機会と勧めてもらい、ありがたく参加させて頂きました。今回は私リハビリテーション科総括主任、きっしーこと岸本泰樹が、会の様子を感動とともに綴らせていただきます! 

当会は平日夜の開催となりましたが、開始時より会場には入りきらないほどの人でいっぱいでした。会場の期待が高まる中、座長である岐阜大学大学院医学系研究科 脳神経外科学教授の岩間亨先生の進行で会が始まりました。まず教育講演では、岩砂病院・岩砂マタニティー リハビリテーション科部長の森憲司先生による「当院における上下肢痙縮に対するボツリヌス治療の現状報告~標的筋の選定と正確な施注のための連携の必要性~」と題する貴重なお話を聞くことができました。

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ボツリヌス療法というと、脳卒中の後遺症などで筋肉に残る強い緊張を緩和する治療法です。患者の表皮から針を刺し、深層にある狙った筋肉へ適切に薬剤を施注することが重要だと聞いていますが…、これが言うことは簡単ですが、実行となるとさにあらず。直接目に見えない場所にどうやって注射するのか、私達素人でもその困難さは容易に想像できます。表題にありますように「連携の必要性」を重要視されておられ、チームでの日々奮闘をスライドの中でわかりやすく紹介してくださいました。森先生は、より正確な標的筋肉の同定のため、超音波のみならず電気刺激装置も活用されているのと事でした。

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写真の様に臨床検査技師、理学療法士、作業療法士など様々な職種により、どうすれば標的筋に正確な施注ができるのか繰り返し問題提起がなされ、その度に勉強し合い、試行錯誤を繰り返す…、そんな「下町ロケット」的な感動のご報告に、私は完全にノックアウトでした。特に精肉店で買ったお肉の塊りを筋肉に見立て、針の先が今どこを進んでいるのか、全員がモニターを凝視する様子などは、完全に「佃製作所」の再現でした! 質疑応答の中でも、犬塚先生と岩間先生が、「森先生方、ボツリヌス治療チームの取り組みは、まさにザ・プロフェショナルだ!」と絶賛されていた事、まさにその通りだと思いました。

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会は引き続いて、三重大学大学院医学系研究科 神経病態内科学教授 冨本秀和先生による、「脳卒中診療のフロントライン~脳卒中治療ガイドライン2015でどう変わったのか?~」と題する特別講演へと移りました。冨本先生には、この度6年ぶりに改訂された「脳卒中治療のガイドライン」について、国内外の膨大な研究報告データの紹介とともに、分かりやすくご説明いただきました。ガイドラインの変更点に伴う治療の考え方に加え、大規模研究のデザインの方法や、一過性虚血発作(TIA)診断のトピックを詳しくお話し下さいまして、和座医師をはじめ会場の先生方も大変勉強になった様子でした。私のようなセラピストが、脳卒中研究の第一人者先生のお話を聞けることは滅多いないことでして、これまた貴重な機会となりました。

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会の最後は、岐阜大学大学院医学系研究科 神経内科・老年内科学講座教授 犬塚先生より、閉会のご挨拶がありました。これからも社会のニーズが高いであろう脳卒中診療を、岐阜全体で盛り上げていこう!との犬塚先生のお言葉に、リハビリテーション病院として「Do Fight Vascular Events!」と、和座医師は力を漲らしていました。

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講演終了後の情報交換会では、これまた貴重な一時を過ごさせていただきました。恐縮ながら私は森先生に 「ボツリヌス施注後にリハビリ指示を出す時、何か特別に留意なされている点はありますか?」という質問をさせて頂きました。 すると、先生からは 「私はリハビリスタッフを信頼している。具体的な内容は彼らに一任している。」 との返答が!私も理学療法士の一人。このお言葉を聞いた時、あまりの感動ではっきり言って泣きそうでした。森先生が神様に見えました。そしてさらに先生はこう続けるのです…。 「リハビリを必要としている人は多くいる。リハビリテーションの提供を、数少ないリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)だけに頼っていては物理的な限界がある。今必要なことはリハビリ専門職が他職種に対しリハビリの方法を伝え、自分たちの代わりに動いてもらえるようなアクションを起こすことだ。」 つまり自分の分身をたくさんつくることで、効率良く多くの方にリハビリテーションを提供することが重要だと…。(T_T)。 いつか見たテレビの西遊記。孫悟空が自分の頭の毛をピッと抜き、呪文とともに息を吹きかける。すると髪の毛一本一本がみるみる人の形に変化し、またたく間に大勢の「孫悟空集団」が現れ妖怪を倒す…。森先生、先生のお考えはまさにこれですよね!この孫悟空大作戦、私も実現させてみたい!嗚呼…森先生のリハビリマインドに深く感銘しました。  

さらに情報交換会では、犬塚貴先生、林祐一先生をはじめ、岐阜大学神経内科・老年科先生方にもご挨拶出来ました。日頃より貴重な脳神経疾患症例を当院に多くご紹介頂き、そうした症例を通じて神経疾患リハについて大変良き勉強させて頂いておりますこと、さらに昨年は下記のように、岐阜大学神経内科・老年科先生方との共著として当院リハビリテーション科から、神経学会・リハビリテーション医学会学術集会など全国レベルの学会にて発表させて頂けました事、和座医師と共に心より感謝申し上げました。

http://www.seidoukai.or.jp/reha/blog/4892.html

http://www.seidoukai.or.jp/reha/blog/4942.html

http://www.seidoukai.or.jp/reha/blog/4980.html 

犬塚先生からは、現在の医療・介護の世界におけるリハビリテーションの必要性を改めて御教授頂き、学校や病院などのつながりとは意を別にして「純粋に同じ目的を持った仲間が集まり、みんなで勉強していけば良い」とのお言葉を賜り、深い感銘をうけました。些細な事で悩みがちな私たちパラメディカルの背中を、やさしく押していただいたようで、天にも昇るような気分になる自分がいました。 犬塚先生とご一緒させて頂けたましたこの記念写真、岸本家の家宝にさせて頂きます!

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いやはや…、短い時間にこんなに濃厚な経験をさせていただけたことに、関係者の皆様に、ただただ感謝です。自分もリハビリ業界の孫悟空になれるよう、精進することを誓ったのでした。本当にありがとうございました!

 
各務原リハビリテーション病院 
リハビリテーション科 
総括主任 岸本 泰樹
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