梅崎俊郎先生より「干渉波アドオン嚥下リハの取り組み」を取り上げて頂きました!メインイメージ

梅崎俊郎先生より「干渉波アドオン嚥下リハの取り組み」を取り上げて頂きました!

第39回日本嚥下医学会学術集会レポート第2弾は、2日目のランチョンセミナーに行われました、医療法人社団高邦会 福岡山王病院/国際医療福祉大学 耳鼻咽喉科教授、梅崎俊郎先生のご講演の様子をレポートさせて頂きます。

梅崎先生は、嚥下医学の発展そして日本嚥下医学会を牽引されてこられた御高名な先生であられ、このフィールドでは誰1人として、梅崎先生のお名前を知らない者はいないと言われています。本大会長でもある座長越久先生より、冒頭の演者紹介の中でも、ズバリそれをご指摘されると、写真の様に照れくさそうに下を向かれてしまいました(^^;)。どんな時も凜とされているお姿からはとても想像できず意外でした。タイトルは「嚥下機能検査におけるLEDTの意義と臨床応用」で、これまた嚥下マニア(笑)の関心を非常にそそる内容でして、開始時から立ち見が出るほどの大盛況の内にセミナーは始まりました。

 2016-02-13 12.00.58 - コピー

2016-02-13 12.03.07

お話は、嚥下神経生理学のお話から始まりました。私達は当たり前のように、「嚥下~ごっくん」をして食べ物を食べられているのですが、実はとても精巧な神経支配がされていること、また安全な嚥下動作には、末梢神経からの刺激が重要である事などを写真のようなスライドを用いてご説明されていました。

スクリーンショット 2016-02-21 08.12.51

皆様は、LEDTという言葉をご存知でしょうか?LEDTはdelay time of laryngeal elevation の略で、喉頭惹起遅延時間、梅崎俊郎先生が確立されました嚥下惹起性を定量評価できる測定法です。嚥下惹起性は嚥下機能検査において非常に重要な指標でありますが、当時は客観的に定量出来る計測法が無いことが問題となっていたそうで、嚥下生理を元に考案された測定法である事、良く理解出来ました。

スクリーンショット 2016-02-20 16.03.04

LEDTについては、下記URLより大変分かりやすく解説されているスライド資料を入手する事ができますので、是非ご参考下さい。特殊な機器は一切不要で、一般病院でも容易に測定可能で、かつ測定者によるばらつきもなく、再現性は非常に良好です。

http://www.seiai-riha.com/pdf/100921%20innaibenkyou02.pdf

ちなみに嚥下惹起性の評価法としては、Logemann先生らが考案しPDT ( pharyngeal delay time:咽頭期誘発遅延時間)という指標もあり、むしろ海外ではこちら方が多く採用されている事が多いそうです。

・LEDT: 造影剤が梨状陥凹底部に達してから喉頭挙上が最大位に達するまでの時間を喉頭挙上遅延時間
・PDT: 造影剤先端が下顎骨後縁を越えてから喉頭挙上が開始されるまでの時間

 このように並べるとあたかも同じようにみえるのですが、実はこの2つの測定法は似て非なるもので、 特に脳梗塞による嚥下障害例の場合には、その差が歴然となるこ事を下記のスライドでご説明されていました。脳梗塞後嚥下障害の自験例データを解析された結果、PDTはばらつきが大きく、かつ病変部位との関係がないとの事、誰も反論できないデータでした。

スクリーンショット 2016-02-20 17.41.57

すなわち脳梗塞嚥下障害の病態の反映には、LEDTの方がはるかに優れると言う事であり、まさにmade in Japanがforeign-madeより優れることがある事を証明された、素晴らしい御研究だと感銘しました。この梅崎先生方の論文は下記にURLを貼らせて頂きましたので、是非ご参考下さいませ。

 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22965906

私、LEDTの有用性をそこまでは深く理解せず「分かりやすい&使いやすい、いいね!」で飛びついたのが正直な所ですが、PDTではなくLEDTを採用して、心から良かったと思いました(^^;) この大変有用な指標であるLEDTは、周辺の医療機関様との共通の指標となればと願っております。

ご講演の後半は、惹起性改善にフォーカスを当てた治療のお話でした。嚥下障害の治療にあたっては、病因診断よりも病態診断が重要である事、とてもよく理解出来ました。

スクリーンショット 2016-02-21 09.36.59

嚥下障害に対する電気刺激療法の可能性について触れられていましたが、その中で越久先生らの経皮的干渉波刺激法の先行研究とともに、当院の「干渉波刺激装置を利用した嚥下リハの取り組み」もご紹介して下さったのです!

スクリーンショット 2016-02-21 10.06.42 

さらに梅崎先生より、下記のような当院実施症例をいつくか御呈示頂いた時には、感極まって涙で視界が不良になりましたが、必至に写メを取り続けました(^^)/

スクリーンショット 2016-02-20 14.55.29

特にギラン・バレー症候群の症例は、種々の免疫療法に抵抗性で重度の嚥下障害が遷延してしまった方だったのですが、干渉波刺激後にみるみる改善していった当院スタッフにとっては忘れられない症例でしたので、なお感激でした。岐阜大学神経内科先生方との病病連携のサクセス・ストリーでもあり自慢の症例でもあります(^^)。改善の様子は下記にアップしてありますので、ご覧下さいませ。

 http://www.seidoukai.or.jp/reha/blog/4980.html

梅崎先生の今回のお話、これまで学ばせて頂いた事の総復習とともに忘れられない教育講演とさせて頂くことが出来ました。実は私、「日本一の嚥下診療を一度この目で拝見したい!」と、一昨年に梅崎先生の研究室に押しかけ(笑)、嚥下・音声外来とカンファレンスを見学させて頂いておりました。ご多忙の時期にお相手して下さいました九州大学耳鼻咽喉科の先生方には、この場をお借りして心より御礼申し上げます。学会会場では、見学時にVFとLEDT計測法を実際に教えて頂きました九州大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外、山口優実先生にお目にかかれ、御礼を申し上げる事が出来ました。さらに、先程のLEDT(made in Japan)がPDT(foreign-made)を凌駕したことを示された論文のご執筆者である、はかたみち耳鼻咽喉科院長、宮地英彰先生にも初めてお目にかかれた事は大変嬉しく、思わず記念写真もご一緒させて頂きました(^^)

 スクリーンショット 2016-02-21 08.37.11 - コピー

ご講演後には、梅崎先生と記念写真をご一緒させて頂きました(^o^)。梅崎先生は、嚥下医学を通して「臨床医であっても日々の臨床においてリサーチマインドを忘れてはならない!」との大切な心得を教えて頂きました先生です。そのような先生とのツーショットゲットに私は大感激で、さっそく額縁に入れて飾らせて頂きました。梅崎先生よりエール賜りました「干渉波刺激装置を活かした嚥下リハの取り組み」は、一層力を入れていきたいと思います!

梅崎先生、本当に有り難うございました!

梅崎先生ご講演⑦-記念写真 - コピー

 

医療法人誠道会
各務原リハビリテーション病院
神経内科 和座 雅浩

 

ページトップへ移動