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マジシャン様からいただいた学び~患者さまのやりたい作業☆に寄り添う

みなさま、こんにちは。病棟のリハビリを担当する作業療法士の谷田真美です。私は患者さまと接する時には、「ご本人が大切にしている作業、大切にしていた作業は何か?」を常に考え、寄り添いながらリハビリテーションを勧めることを心がけています。患者さまから学ぶ事は実に多く、リハビリテーションを提供しているというよりも、一緒に進めていき、一緒に悩んで、一緒に喜び会える作業療法士でいたいと思っています。

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今回はある患者さまより学ばせて頂いた私の成功体験☆を、ブログにてお伝え致します。

ある入院患者さま(以下Aさん)が、退院日に私達の為に、ご自慢のマジックショーを披露して頂いたのです(^^)! Aさんは、入院される前はボランティアとして、マジシャンとして色々な施設へ慰問に回られていたそうです。今回「ギラン・バレー症候群」という病気を患い当院へ入院されました。

ギラン・バレー症候群とは、急性発症の末梢神経障害をきたす疾患です。症状は手や腕・足の筋力低下や、しびれ等が出現します。Aさんも当初から手や足の筋力低下がみられ、力が入りにくいとの訴えがありました。握力は10kgに満たず、強く握りこむ動作が困難でした。マジックで必要となるトランプの束を持ってシャッフルしたり、細い紐を落とさないよう強く握ることなどもなかなか上手くいきません。さらに、20分以上立ち続けることにも疲労感を訴えられ、一定時間立ったままお客様にマジックを披露する事に対して大きな不安を感じておられました。

リハビリをしていく中で、徐々に関節の可動域が拡大し筋力の向上も認めました。握力は15kg程度となり、トランプのシャッフル・紐を握ることが可能となりました。しかし、まだ人前でマジックをすることに不安を感じていた為、自宅退院される前に私たちスタッフの前で「ご自慢のマジックショーを披露する」作戦をAさんと一緒に考えました。時間内にどのようなマジックを披露できるか、成功するにはどのような環境が必要かなど、Aさんと話し合い一緒に取り組みました。

そして、スタッフの前で中間発表(退院1週間前)・患者様の前でも1回・最終発表(退院当日)の合計3回のマジックショーをご披露され、3回とも見事大成功でしたが、特にラスト講演は反響が大きく、その様子レポート致します。会はまず、私をお手伝いガールとしてご指名頂き(^^;)、スタートしました。

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写真のように、なめらかな手付きで披露される数々のマジックに、スタッフはみな驚愕で拍手喝采の連続でした。こんなに多くのレパートリーがあること、披露されたくなる気持ちよく分かりました。

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これは主担当であった江頭PTを、驚かせている様子です(^^)。低周波刺激装置を加えて運動療法を試み、Aさんの両足には力が戻り、見違えるようにしっかりと歩かれるようになった事が嬉しく、その成果をセラピスト目線から観察すると言っていましたが、ショー時は全くのお客さん状態で、何度も「すげー、すげー」を連呼していました(笑)

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特にワイングラスの柄に鍵のかかった南京錠を、ハンカチの中で空けてしまうマジックは驚きでした!Aさんは担当医の和座医師を指名し、写真のごとく割れていないワイングラス&普通の南京錠である事を、実際に手に取らせてみせていました。実は和座医師は発表前に「マジックには何かトリックがあるはず」と、Aさんのスキをねらいその仕掛けを見抜こうとしていたそうで、写真のごとく仕掛けがないかと、何回も念入りにチェックしていました(^^;;

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しかし、Aさんはそんな事も関係なく、あっさりと南京錠をワイングラスから、はずされてしまいました!ハンカチで隠しているとはいっても、Aさんはとても鍵を開けれるような動作はいっさいされておらず、和座医師は「これはマジックでは説明出来ない、まさに超能力だ!」と絶賛していました。Aさんの確かに腕前はプロ級であり、和座医師もそのマジックショーに同伴すれば、さぞかし強力な広告塔になると思いました(^^;)。

あとAさんは、和座医師が日頃懇意にして頂いている岐阜県総合医療センターの櫻井先生からの御紹介のであり、良き報告が出来る事もとても満足げでした。

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Aさんご自身、ラストショーには大きな達成感・満足感を強く感じされたようで、「またボランティアで(誠道会に)来るよ!」とおしゃられた笑顔がとても印象的で嬉しかったです。ショーの大成功に私も思わず、心の中でガッツボーズをしてしまいました(*^ω^*)

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患者様は、疾患の影響や社会的・物的環境等により、今まで行なっていた作業が制限されることが少なくありません。これまでも入院患者様の中には、自分のやりたい作業を様々な理由であきらめる方が多くみえました。Aさんも疾患の影響によりマジックを制限されましたが、リハビリを頑張られ、3回のマジックショーを通してマジックへの自信に繋がりました。今後もAさんとの関わりを生かして、「患者さまのやりたい作業☆」に寄り添い、それを支援できるような作業療法士を志したいと思います!

最後に、Aさんを囲んでの集合写真をアップします。このショーは本来、Aさんのリハビリテーションの成果をお示し頂く会でしたが、その主旨が全く異なり、まさに当職員達のためのプロマジシャンのショー状態でしたが、私達をとても楽しませて下さいましたこと、皆で感謝です。本当に有り難うございました!!

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医療法人社団誠道会
各務原リハビリテーション病院 リハビリテーション科
作業療法士 谷田 真美
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