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きっしーのひとり言ブログ「リハ医学会で発表しました!脳神経科学はどんどん進歩する!の巻」

先日、京都で開催された第53回日本リハビリテーション医学会に参加・発表させていただきました。リハ医学の総本山とも呼ばれる今学会への参加は、自分にとって新しい感動と発見の連続でした。集まる人数といい、リハ医学に対する熱い情熱といい、とにかく全てがハイレベル!大きな社会的影響力を持つこの学会に参加できたことは自分にとっての財産になりました。

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今回自分は「経頭蓋直流電気刺激(tDCS)と理学療法の併用による歩容変化~進行性核上性麻痺患者を通じたsingle case study~」と題して、電気刺激の臨床応用についての研究結果を発表させていただきました。ちょうど5月の神経学会でも、当院理学療法士の堤くんが同じtDCSを扱った研究発表をしてくれましたが、僕もこれに続き、今年度tDCS第ニ報です。内容は外来リハビリの患者様に対し、運動療法と併用したtDCSが効果的だった、というものなんですが…。きっと多くの方がtDCSなんて聞いても何のことかわかりませんよね。以前堤くんのブログでも説明がありましたが(第57回日本神経学会学術大会にてtDCSを全国に広めてきました!)、ここで改めておさらいを…。tDCSは正式には「transcranial direct current stimulation」と言います。低周波治療に使うような電極パットを頭に貼付し、非常に弱い電流を脳に流すことで、神経の興奮性を変化させ身体を動かしやすくさせる、という脳神経科学の領域では最近とても注目されている研究テーマなんです。現在はまだ研究の段階なので、正式な治療法としての確立はもう少し未来の話になりますが、なんだかこれ、とても興味深い話だと思いませんか?

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例えば、スポーツ選手が大事な試合の前などに、イヤホンで音楽を聴き気持ちを落ち着かせている姿をよく見かけます。良い結果を出すための1つの方法なのでしょう。近い将来、もしかしたらこれと同じように、選手が試合前tDCSを装着し、勝つために脳機能を調整する、なんてことが当たり前に見られるかもしれません。これは何もスポーツに限ったことではなく、例えば受験生が本番直前の受験会場で、おもむろにカバンからtDCSを取り出す…なんてこともきっと起こり得るでしょう。なんだか恐いような気もしますが…。

自分の脳の働きを外部からの刺激でコントロールするなんて、にわかには信じ難い話です。昔ドラえもんでこんなような道具があったような気もします。でも考えてみれば、30年前は誰も携帯電話なんて持ってませんでしたよね。電気で車が走るなんて思ってもみませんでしたよね。今は「もしかしたら、が現実に…」の世の中なんです。人体にとっても、社会的にも、そして倫理的にも問題のない形でこの研究が進んでいくことを願っています。

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なんだかいろいろ考えてしまう今回の学会発表でした。多大なご支援をいただきました新見クリニックの新見先生はじめ、当院和座副院長、研究に関わっていただきました多くのスタッフ、また何よりも患者様、ご家族様に改めて感謝を申し上げます。本当にありがとうございました!

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医療法人社団 誠道会
各務原リハビリテーション病院 リハビリテーション科
総括主任 岸本 泰樹
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