大切な予防接種、乳幼児に必要なワクチンってなに?

赤ちゃんが誕生すると、毎日が新しい発見の連続ですね。すくすく育っていく姿は何よりも愛おしいものですが、その成長を守るために大切なのが「予防接種」です。

「本当に必要なの?」「副反応は大丈夫?」——そんな不安を感じる方も多いかもしれません。けれども、予防接種は赤ちゃんをさまざまな感染症から守るために、世界中で推奨されている大切な医療行為です。 今回は、乳幼児期に受ける予防接種の種類やスケジュールをわかりやすく紹介しながら、接種の意義についてお伝えします。不安を少しでも解消できるよう、保護者の皆さんに寄り添った内容をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ乳幼児の予防接種が重要なの?

病気から守る役割

乳幼児は免疫機能が未発達なため、感染症にかかりやすい時期です。予防接種は、こうした病気を防ぐために設計されており、以下のような重要な役割を果たします。

  • 重症化を防ぐ
    例えば、麻疹(はしか)は重い肺炎や脳炎を引き起こす可能性がありますが、ワクチンを受けることで感染を防ぎ、重症化のリスクを大幅に減らせます。
  • 病気による長期的な影響を避ける
    おたふく風邪は、小児期にかかると後遺症として難聴を引き起こすことがありますが、ワクチンによってこのリスクを軽減できます。
  • 治療が難しい病気から身を守る
    破傷風やポリオのように、一度感染すると根本的な治療が難しい病気もあります。ワクチンはこうした病気への唯一の確実な予防策です。

また、最近流行している百日咳は、けいれん性の咳発作を特徴とする感染症で、特に生後6か月未満の乳児では重症化しやすく、肺炎や脳症などの合併症を引き起こすことがあります。

  • 感染力が非常に強い
    百日咳菌は飛沫感染や接触感染によって広がりやすく、家庭内や保育施設などで感染が拡大しやすい特徴があります。
  • ワクチンによる予防が重要
    日本では、**5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)**が定期接種として導入されており、生後2か月から接種を開始することで、乳児期の感染リスクを大幅に減らすことができます。
  • 流行の影響
    2024年から国内で百日咳の報告数が増加しており、特にワクチン未接種の乳児が感染すると重症化しやすいため、早めの予防接種が推奨されています。

集団免疫の観点

予防接種の目的は、個人を守るだけではなく、社会全体を感染症から守ることにもあります。これを「集団免疫」といいます。

  • 感染の広がりを抑える
    ある病気に対する免疫を持つ人が増えると、その病気が流行しにくくなります。これにより、ワクチンを受けられない赤ちゃんや免疫が弱い人を守ることができます。
  • 過去の感染症を減少させた実績
    かつて流行していたポリオ(小児麻痺)や天然痘は、予防接種の普及によって世界的にほぼ根絶されました。これは、集団免疫の力による成果です。

予防接種は、目の前の赤ちゃんを守るだけでなく、社会全体の健康を支える重要な取り組みなのです。百日咳を含む感染症から赤ちゃんを守るために、予防接種は非常に重要な役割を果たします。

乳幼児の予防接種の種類

乳幼児が受ける予防接種には、定期接種任意接種の2種類があります。どちらも赤ちゃんの健康を守るために重要な役割を果たします。

定期接種(公費負担で受けられるワクチン)

日本で公費負担の対象となる予防接種で、決められた年齢に達すると接種を推奨されるものです。

ワクチン名予防する病気接種時期の目安
B型肝炎B型肝炎ウイルス感染生後2か月から
ロタウイルスロタウイルス胃腸炎生後2か月から
ヒブ(Hib)インフルエンザ菌b型感染症(髄膜炎など)生後2か月から
小児用肺炎球菌肺炎球菌感染症生後2か月から
5種混合(DPT-IPV-Hib)ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、Hib感染症生後2か月から
BCG結核生後5か月~8か月
MR(麻疹・風疹)はしか、風疹1歳~
水痘(みずぼうそう)水痘(みずぼうそう)1歳~
日本脳炎日本脳炎ウイルス3歳~

これらは自治体が実施するもので、対象年齢内であれば無料で受けられます。

任意接種(希望者が受けるワクチン)

公費負担の対象外ですが、感染予防のために推奨されるワクチンです。

ワクチン名予防する病気接種時期の目安
おたふく風邪ムンプスウイルス(難聴の原因にもなる)1歳~
インフルエンザインフルエンザウイルス毎年(生後6か月~)
A型肝炎A型肝炎ウイルス1歳~

任意接種は費用が自己負担になりますが、集団感染を防ぐために接種を検討する家庭も多いですね。

接種スケジュールと注意点

いつ接種するのが望ましいか?

生後2か月~

B型肝炎
ロタウイルス
ヒブ(Hib)
肺炎球菌
5種混合(DPT-IPV-Hib)

生後5か月~

BCG(結核予防)

生後6か月~

インフルエンザ(流行期に備えて)

1歳~

MR(麻疹・風疹)
水痘(みずぼうそう)
おたふく風邪(任意接種)

3歳~

日本脳炎

これらのワクチンは、感染症にかかるリスクが高まるタイミングを考慮して設定されています。
特に乳児期は免疫が未熟なため、なるべく推奨時期に受けることが望ましいです。

副反応と対応方法

予防接種には、軽度の副反応が現れることがありますが、多くの場合は自然に治まります。

一般的な副反応

接種部位の腫れや赤み(数日以内に消える)
微熱(24~48時間以内に治まる)
軽度のぐずり(一時的なもの)

💡 対応方法
  • 腫れが気になる場合は、冷たいタオルで軽く冷やす。
  • 発熱時は水分補給をこまめに行い、安静にする。
  • 接種後、機嫌が悪くても抱っこして安心させる。

まれな副反応(注意が必要なもの)

高熱(38.5℃以上
強い泣き方(数時間続く)
発疹や呼吸困難

💡 対応方法
  • 高熱が続く場合は医療機関に相談。
  • 激しいアレルギー反応(アナフィラキシー)が疑われる場合は、速やかに受診。

副反応はほとんどの場合軽度ですが、万が一異常を感じた場合は医師に相談することで安心につながります。

保護者の方へ、迷いや不安をどう解消するか

赤ちゃんの予防接種を前に、「本当に必要なのかな?」「副反応が心配…」と迷うことは自然なことです。ですが、予防接種は大切なお子さんを感染症から守るために、多くの研究と実績に基づいて推奨されているものです

  • まずは情報を整理してみましょう
    正しい知識を得ることで、不安を軽減できます。ワクチンの目的や効果を理解すると、「なぜこの予防接種が必要なのか?」が明確になります。
  • 体調が気になる場合は医師に相談を
    赤ちゃんの健康状態によって、接種のタイミングを調整できることもあります。不安なことがあれば、かかりつけ医に相談してみましょう。
  • 接種後の対応を知っておくと安心
    「副反応が出たらどうすればいい?」と心配になることもあると思いますが、多くは軽度なもので自然に治まります。事前に対処法を知っておくことで、落ち着いて対応できます。 予防接種は、「赤ちゃんを感染症から守るための防護服」のようなもの。大切な成長の中で、健康を守るためのひとつのステップです。

公的機関のサイト

公的機関のサイトには、最新の予防接種スケジュールや安全性に関する情報が掲載されています。信頼できる情報を参考にすることで、不安を解消しやすくなります。

ワクチンの種類や接種スケジュールに関する公式情報

小児科の専門家による推奨ワクチンと最新情報

ワクチンの効果や安全性について科学的な根拠を示したサイト

これらを参考にすることで、正確な情報を得ながら安心して接種の計画を立てられます。

まとめ

赤ちゃんの健やかな成長を願うすべての保護者の方へ。
予防接種は、大切なお子さんを感染症から守り、健康な未来を築くための第一歩です。

迷いや不安があるのは当然のこと。でも、正しい知識を得ることで、安心して進めることができます。
信頼できる情報をもとに、赤ちゃんにとって最善の選択をしていきましょう。

当院でも公費で受けられる予防接種(定期接種)に加え、任意接種も当院で行っていますので、お気軽にご相談ください。

お子さんの健康について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
医師やスタッフが丁寧に説明し、保護者の皆さまに安心していただけるようサポートいたします。 赤ちゃんの笑顔と健康な日々のために、ぜひ予防接種を前向きに考えてみてくださいね。

執筆:医療法人社団 誠道会 広報担当