冷たいものの摂りすぎに注意!世代別に見る体への影響と対策

冷たいものが欲しくなる季節。でも注意が必要です。

暑い日が続くと、つい冷たい飲み物や食べ物ばかりになってしまいますよね。
アイスコーヒーやそうめん、冷たいジュースなどは、夏の定番とも言えます。

でも、冷たいものを摂りすぎると、胃腸の働きが鈍くなり、食欲不振や倦怠感、さらには“夏バテ”の原因になることも
特に、子どもや高齢者、働く世代、介護者など、それぞれの生活環境や体の特徴によって、影響の出方は異なります。

今回は、世代別に「冷たいものの摂りすぎ」が体に与える影響と、すぐにできる対策をご紹介します。
ご自身やご家族の健康管理に、ぜひお役立てください。

小児(子ども)に起こりやすい症状と対策

子どもは体温調節機能が未熟で、暑さに敏感です。冷たいものを欲しがるのは自然な反応ですが、摂りすぎると次のような症状が現れることがあります。

起こりやすい症状

  • 下痢や腹痛(胃腸が冷えて消化機能が低下)
  • 食欲不振(冷たい飲み物で満腹感が出てしまう)
  • 睡眠の質の低下(夜間の冷えによる不快感)

対策のポイント

  • 冷たい飲み物は少量ずつ、常温の麦茶やスープを取り入れる
  • おやつは冷やしすぎないゼリーや果物など、見た目で食欲を刺激
  • 「冷たいものは1日1回まで」など、家庭内のルールも効果的

高齢者に起こりやすい症状と対策

高齢者は暑さや冷えに対する感覚が鈍くなりやすく、体の変化に気づきにくい傾向があります。
冷たいものを摂りすぎることで、思わぬ体調不良につながることもあります。

起こりやすい症状

  • 胃もたれ・食欲低下
  • 筋力低下・転倒リスク
  • 熱中症や“夏血栓”のリスク増加

対策のポイント

  • 冷たい食事には温かい汁物を添える(味噌汁・スープなど)
  • 食事からの水分補給を意識(煮物・果物・ゼリーなど)
  • 冷え対策として、腹巻きやレッグウォーマーも有効

働く世代に起こりやすい症状と対策

忙しい毎日の中で、冷たい飲み物や簡単な食事に頼りがちなのが働く世代。
外回りや冷房の効いたオフィス環境、コンビニ食などが習慣化すると、体調不良の原因になることがあります。

起こりやすい症状

  • 胃腸の不調
  • 倦怠感・集中力低下
  • 睡眠障害・メンタル不調

対策のポイント

  • 冷たい飲み物は1日1〜2杯までにし、常温の水やお茶をこまめに
  • 冷たい麺類には、納豆・オクラ・鶏むね肉などの栄養食材を添える
  • 休憩時間に温かい飲み物で一息つく習慣を

介護者・主婦に起こりやすい症状と対策

家族の健康を支える立場の方こそ、自分の体調管理が後回しになりがちです。
家事や介護で汗をかきながらも、冷房の効いた部屋に戻ることで体温調節が乱れ、“冷え疲れ”が蓄積されていきます。

起こりやすい症状

  • 胃もたれ・食欲不振
  • 倦怠感・頭痛・睡眠の質の低下
  • “冷え疲れ”の蓄積による慢性的な不調

対策のポイント

  • 作り置きできる常温メニューで栄養を確保
  • こまめな休憩と温かい飲み物でリセット
  • 自分の体もいたわる意識を持つことが、家族の健康を守る第一歩

世代別に見る冷たいものの影響と対策(まとめ表)

世代起こりやすい症状おすすめの対策
小児下痢・腹痛、食欲不振、睡眠の質の低下常温の飲み物、冷やしすぎないおやつ
高齢者胃もたれ、筋力低下、熱中症・夏血栓リスク温かい汁物、食事からの水分、冷え対策
働く世代胃腸の不調、倦怠感、睡眠・メンタル不調常温の水分、栄養食材の工夫、休憩習慣
介護者・主婦食欲不振、冷え疲れ、慢性的な倦怠感常温メニュー、温かい飲み物、こまめな休憩

冷たいものに頼らず、体を冷やす工夫

冷たいものを欲するのは、体温が上がっているサイン。
でも、内臓を冷やしすぎると胃腸の働きが鈍くなり、かえって不調の原因になることもあります。
そこで、冷たいものに頼らず、無理なく体を冷やす方法をご紹介します。

手を流水で冷やす

  • 手のひらや手首には血管が多く集まっており、冷水で冷やすことで体温を効率よく下げられます。
  • 内臓に負担をかけず、仕事中や家事の合間にもすぐに実践できます。

首・脇・太ももの付け根を冷やす

  • 太い血管が通っている部位を短時間だけ冷やすことで、体全体の熱を下げる効果があります。
  • 保冷剤や濡れタオルを使い、冷やしすぎないよう注意しましょう。

エアコンの使い方にも工夫を

  • 室温は28℃前後が目安。風が直接当たらないように調整し、扇風機で空気を循環させると快適です。

冷やすことは悪ではありません。“冷やし方”を選ぶことが、体を守る知恵です。

まとめ

冷たいものは“ほどほど”に。体をいたわる食べ方と冷やし方を

冷たいものは、暑さをしのぐための味方でもあります。
でも、摂りすぎることで体調を崩してしまっては本末転倒です。
世代に応じた体の反応を知り、ちょっとした工夫で、夏を元気に乗り切りましょう。

各務原リハビリテーション病院では、予約なしでも内科・小児科の診療を行っております。
「冷たいものを摂ったあと、なんとなく体調がすぐれない」「子どもの様子が気になる」など、
気になる症状やご不安なことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

監修:各務原リハビリテーション病院長 磯野 倫夫
執筆:医療法人社団 誠道会 広報担当