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 令和4年は、世界に目を向けると、ここ数年のCOVID19の流行がピークを迎えるとともに、欧州における2月のロシアのウクライナへの侵攻に伴う戦争の始まりと、激動の年であったと思います。日本においては安倍晋三元首相が殺害される事件があり、私としては大きなショックを受けました。識者のなかには「殺害されたのは当然の結果」とのニュアンスの発言もあり、日本における政治的な対立の根深さも感じました。

 ここ数年の社会情勢を振り返ってみるとアメリカと中国の対立が顕在化してきたことに伴い、世界中の色々な問題が不安定な状況におかれ、予測不能の事象が起こることが危惧されます。このような状況は強力なリーダーが不在の日本が解決できることではなく、また他の国々においても同様と考えます。

 地域の医療介護に目を向けますと、以前に増して高齢化が進み医療と介護の連携が必須となってきました。特に回復・慢性・維持期においては365日の医療的観察と介護支援が必須であり、誠道会グループにおきましても、令和4年4月1日に各務原リハビリテーション介護医療院を開設し「終の棲家」としての運用を開始しました。平成12年(2000年)の介護保険施行当時に多く開設された認知症対応型共同生活介護(グループホーム)が、当時は「終の棲家」と言われていましたが、入所者の高齢化と共に要介護度の重度化と終日の医療的観察が必要になることが多く、グループホームで「看取り」をすることは、在宅診療に積極的な診療所と医療依存度の高い高齢者を365日介護できる看護・介護職の配置が必須となり、その整備が困難な時の解決策としての介護医療院は、地域における終末医療介護の中心になると確信しております。

 また、高齢の入院患者さんで積極的な先進医療を希望されることなく緩和治療を希望される方も多くなり、令和5年は地域に貢献するため各務原リハビリテーション病院において、高度医療を希望されない地域の方々が直接入院できる体制を構築したいと考えております。

 日本は、第2次世界大戦の敗戦後の焦土化した国土から、明治・大正・昭和初期生まれの方々の頑張りで今の豊かで平和な日本が復興できたと思います。私は昭和30年生まれであり、その方々の遺産で今の自分や日本があると心から感謝しております。これからの数年は、その方々に対して恩返しできる最後の機会との思いで地域に貢献していきます。

 あけましておめでとうございます。
令和5年5月8日から新型コロナ感染症(COVID19)が5類感染症に移行し、社会全体が流行前の落ち着きを取り戻すに伴い、医療・介護現場も以前の日常を取り戻してきました。 

 ここ数年の感染症対策の一環で大きく変わったことがあります。それは日本の医療・介護施設で遅れていたといわれるデジタル化やITの推進です。人との接触を少なくすることの必要性からwebでの会議などが一般的になりました。いろいろ問題は指摘されていますがマイナンバーと保険証の紐づけも始まりました。ワクチン接種に伴う手続きや管理も、各医療機関から直接、厚生労働省のサーバーにアクセスするシステムが構築されました。 

 最近、若い人たちが立ち上げたIT関連の会社を訪問しましたが、社員は出社することなくリモートワークで業務を行う事も多いそうです。実際、その会社にはパソコンを置いたテーブルが多くありましたが、出社している社員は少なく、多くの社員がリモートワークと思われました。翻って日本の医療や介護の世界におけるリモートワークはまだまだ未来の話です。その始めの一歩と思われる診療形態として、厚生労働省よりwebを利用した「オンライン診療の指針」が示されました。この様に現在の科学技術でも、さらなるデジタル化やIT技術を利用して効率化を図ることは可能です。特に慢性期や維持期においては、見守りや他の医療機関や介護施設や家族との情報のやり取りは、デジタル化やITを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める事で大きな効率化が望めます。そのためにはDXを意識した医療保険制度や介護保険制度を構築して頂きたいと切に願うところです。 

 保険制度以外にも人権問題や個人情報保護法や医師法や療養担当規則など、多くの制度や法律のなかで運営されているのが日本の医療・介護施設です。DXの推進を医療・介護施設に任せるのでなく、各省庁が垣根を越えて積極的に世論形成を行い、DXを見据えた医療・介護保険制度改革を進めていかないと、超高齢化社会を迎えた日本の医療と介護の合理化は進むことなく、結果的に日本自体の国力の低下を招くと思います。 

 これからのポストコロナの時代、感染症の流行により得られた経験を糧に、地域の、そして日本の明るい未来が築かれることを切に願い、その一助として頑張ることを決意し新年のごあいさつに代えさせて頂きます。 

  • 総合内科
  • 糖尿病内科
  • 糖尿病専門医
  • 日本内科学会認定医
  • 総合内科
  • 愛知医科大学大学院卒業(医学博士)
  • 認知症サポート医
  • 認定産業医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 日本リハビリテーション学会
  • 日本透析医学会

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